834.194

(今回は溢れんばかりの感想をそのまま書いてるので、文はだいぶ滅茶苦茶です。あくまで感想です。溢れんばかりの感情を。)

メインブログに書くレベルの作品だけど、あっちはデジモノの話だけにすると決めたので、サブブログに。

834.194、普通にみたらただの暗号にしか見えないような番号ですけど、これはサカナクションの6年ぶりのアルバムです。

全魚民が6年間待った、待望のアルバム。

二か月延期という事件はありましたが、18日の火曜日にフラゲしました。

届いて速攻で開けて、速攻で聞きました。

曲自体は茶柱以外は全部ライブで聞いているわけで、すでにオンエアされた新曲も何曲かあるので、フル尺初公開はマッチとピーナッツ、茶柱、ワンダーランド、そしてセプテンバーの計4曲あったり、新鮮さだけで言えばぶっちゃけそこまで強くない...はずでした。

はずってことで分かってもらえるはずですけど、超新鮮でした。
いやー、なんか言葉で表現が超絶難しい。

Disk1、青葉台スタジオの座標が付けられたこのディスクには、サカナクションで言う浅瀬の曲が多く収録されています。
サカナクションは深海だけにいるバンドじゃないんですよ。

浅瀬な、マジョリティーな素晴らしい曲も多く作ってるんですよ。
新宝島なんかはその代表例。
世間に受け入れられる薄いようなマジョリティーな曲ではなく、マイノリティーな、サカナクション独特の質を十二分に持ちながら世間の超大多数にも受け入れられた、超特殊例です。
ある意味、RADWINPSの前前前世も同じですよね。

サカナクションの浅瀬、Disk1のリード曲的な立ち位置と言ってもいいかもしれない「モス」なんかは、「大多数ではなく、少数が好きな音楽」という点でのマイノリティーを「蛾」を意味するモスで表すという、サカナクション以外では無理な技を見せつけてくれました。

繭割って蛾になったマイノリティー。
最高、最高すぎる。

自分の語彙力の少なさを本当に悔やむ、伝えれないんですよ、言葉じゃ。この曲の凄さを!!!!


セプテンバーはサカナクションの前身バンド「ダッチマン」時代の曲として、魚民の間ではかなり有名な曲だったのですが、今回遂にサカナクションの曲として収録されました。

Disk1の東京バージョンを先に書きますけど、すっごいサカナクションです。
これぞサカナクションだよなー、っていう。
自分は札幌バージョンで書くことが多いので、東京バージョンはここまで。


ここからDisk2。
一曲目はグッドバイ。
6thAL「Sakanaction」でオリコン一位も達成し、とても良いセールス記録を出したサカナクションが10か月ぶりに出したシングルはまさに深海の曲でした。
Documentalyからのファンの自分はかなり驚きましたけど、なんというかこういう大人しいのが本来のサカナクションだったよね、っていう風にも思いました。

グッドバイと言えばサカナLOCKSでの泣きながらOAというのは今でもとても印象深い事件です。サカナクションが苦労して作り上げた曲は、Sakanactionで紅白に出てマジョリティーの世界にいた状態にさよならをするような曲でしたし。

今でも聴くと心に染みる曲です。

それと茶柱。
これが正真正銘初公開の曲になるわけですけど、何風って言ったらいいかな…
アルデバランとも違う…既存局で言えばスプーンと汗かな。
とても大人しい曲でした。

ワンダーランド。
TBSのNews23のテーマ曲ですけど、ライブで聞いた時のなんだこの曲⁉感とは変わって、思ったよりポップで明るい曲に見せて置きながら、中身は途中からのメロディの変わり方といい、歌詞の言葉選びと言いサカナクションしか作れないような曲でした。
どうやら処女喪失の曲らしいんですけど、それにしても言葉選びよ。

23で使われていた二番(?)だけで言えば、成長する鳥が都会をはばたく、そんな感じにしか聞こえないのに。
新海誠監督の映像も相まって、夜の都会、ポツンと光る遊園地(USJとかも海の近くだし)とかしか頭に浮かびませんでしたよ()

ただ、テーマをTwitterで見かけてから改めて歌詞を見ると、確かにそうだな…とも感じますね。

夢から覚めた蜃気楼、なんかね。


834.194は魚図鑑ゼミナールのOPの要素が含まれてます。
ゼミナールOPは個人的に一番好きなライブOPだったので、あれもまた聴きたいなと思ったり。


最後、セプテンバー札幌Version

これを聴いてるときに、不思議なことに涙が止まらなかったんですよ。

実をいうと、Twitterとかでアーティストに「新曲マジで泣きました」とか言ってる人見ると若干馬鹿にしてたんですよ。
自分はサカナクションの曲でぽっくりと心に大穴を開けられるぐらい感動することはよくありましたけど、泣くなんてありえないでしょ。とか思ってたんですよ、実は。

曲で泣いたといえば、リトバスrefrainのOPの「Boys be smile」はシナリオもあって聴くと泣きそうになりますけど、あれは曲単体だけでなく、√Refrainがあって力を発揮させる、麻枝准さんの得意とする手法によって起こされる感動です。

でも今回は違います。
サカナクションが6年かけて、様々な困難を乗り越えて出したAL、そこに落とし込まれた山口一郎さんの「無作為な歌詞」何かを飾ったわけでもない札幌時代の曲なんです。

その曲を聴いてるときに涙が止まらなかったんですよ。

これが仮に最後の曲がワンダーランドだったらきっとここまで泣かなかった気がします。
この曲順だったから…834.194からこの曲に続くから…そんな気も。

書くとなんだか恥ずかしいんですけど、あり得ないぐらいに泣いちゃったんですよ。
ティッシュも全部使いきるぐらい鼻水も出しながら、声も我慢できないぐらいに泣いちゃったんですよ。


きっと6年待ったからというのもあります。
サカナLOCKSを結構聞いてた身としては、どれだけの苦労を乗り越えてこのアルバムを作り出したのか、ただの1ファンとしてですけど知ることができていたからかもしれません。

本当に涙が止まらなかったんですよ。
抑えようとしてもずっと出てくるぐらい。

そしてこんなことも思いました。
あまりに完成されすぎたアルバム。
その結果、サカナクションが遠くに行ってしまうんじゃないかって。
いや、全然近くも無いけど。
遠く...隠さずに書くと「解散してしまうんじゃないか」とすら思うほどに。
サカナクションがいなくなってしまうんじゃないか、って。

実は同じことをライブの時も思ったんですよ。
うっすら消えてしまうんじゃないかっていうぐらい、なにか繊細な感じを。

悲しいだけの曲じゃないんですよ。悲しいだけじゃなくて、それに何かが一つまみ入れられてるような。
このままサカナクションは解散ですって言われても納得できてしまうような、それぐらいの何かがセプテンバーに混ざってるんですよ。

ここで生きる意味、探し求め歩くだろう、それもまあいいさ。



アルバムの全体的な感想ですけど、書くとどうしても陳腐な言葉になっちゃいそうですけど、「最高」のアルバムでした。

今まで聴いてきたどんなアルバムよりも、何かとてつもない大きな何かを持った、そんな。

どうも言葉では表せません。言葉で表すには自分には力不足すぎます。言葉が足りない。

このアルバムは、普段サカナクションを聞かない人が聴いても「いいアルバムだ」ってきっと感じると思います。それは絶対に。
その人が好きなバンドのアルバム以外で1位になるんじゃないか、ぐらいに。
でも魚民が聴いたらきっと史上最高のアルバムだって思うんじゃないですかね。


父とも言ってたんですけど、ほんと、「完成しすぎてる」んですよ
Sakanactionの時もぶっちゃけ完成形じゃね?とか思いました。
でもあれはこれからの更なる躍進を期待させる完成形だったんです。
834.194はまた「Sakanaction」ってついてもいいんじゃないかって、そんなことを思うほどに完成してたんですよ。

別にSakanactionが劣っているとかそんなことでは無いです。
あのアルバムも凄いアルバムでした。
聴いた当時、今でもすごく好きなアルバムです。


少し余談になりそうですけど、父と自分が好きなバンドに「Supercar」がありました。
あのバンドの最後のアルバム「Answer」は「HIGHVISION」、「Futurama」とはかなり毛色の変わったアルバムだと父も感じたそうですし、実際Answerを手にしたときに解散するんじゃないかな、と少し思ったら一年後に本当に解散してショックだったって言ってましたし、サカナクションのこの心配は杞憂であってほしいです。というかきっと杞憂で終わるはず。終わってくれ。


この834.194でサカナクションのハードルは確実に高まったと思います。
だって前作「Sakanaction」すらも超えてしまうほどの完成度、凄さですよ。

というかハードル上げすぎです。Mなの?

このハードル超えるようなアルバム、きっと10年ぐらい待たなきゃいけないんじゃないかな。

でも、6年間の軌跡をここで全て吐き出したサカナクションのこれから生み出されていく曲は、きっとこれまでの名曲をも超えていくような曲になっていくんでしょう。


自分はこれからもサカナクションを全力で応援したいと思います。
大好きなサカナクションを、これからも。

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